【十八禁】ゲーム作品サンプルシナリオ2

【夏色の彼女 シナリオサンプル】※製作期間三日 ※数年前に制作

//□背景 黒バック
//♭SE セミの鳴き声(ループ) 

柔らかな地面に靴裏を降ろして、二、三歩と歩く。

夏休みに相応しいカラッとした熱気と、どこかで嗅いだことのある草木
の匂い。

//□背景 田舎の風景

降り注いでくる慣れない刺激に、思わず閉じかけていた瞼を開ければ、
視界に飛び込んでくる眩い黄色が、太陽に向かって手を伸ばしていた。

……夏だな、なんて実感を深めると同時、俺の頭の中には郷愁にも似た
想いが流れてくる。

五年ぶりくらいとなる、母の故郷。

……すっかり、忘れていたのだ。

//♭SE セミの鳴き声 停止
//□背景 黒バック
//♪BGM 回想

小学校に上がりたての頃は、新しい環境にはしゃぎ回ってばかりで。か
といって中学校では勉強や部活に明け暮れていた俺――堺浩二。

昔からの恒例行事である田舎への連泊なんてそっちのけで、俺は目まぐ
るしく変わる日常に追われていた。

けれど学園に入って、少しばかりの落ち着きを取り戻した俺は、ふと思
ったのだ。

……そういえば、全然行っていなかったな、と。

一たびそう考えれば、あの頃の思い出が奔流のように流れ込んできて…
…。

無性に、ワクワクしたのだ。

それと同時、都会では感じられない田舎特有の空気が、鼻先を掠めて
いった気がした。

……久しぶりに行ってみようかな、なんて思い立ったのが一週間前。

//■CG アルバム

咄嗟に俺は、昔の頃のアルバムを引っ張りだしてきて、そこに切り取ら
れた思い出を眺めた。

【浩二】
「懐かしいな……」

ページを手繰る手が止まらない。

アルバムに収められた写真はそのどれもが古くなっていたけれど、そこ
に封じられた思い出は色褪せない。

あの時の光景を、色鮮やかに映し出してくれる。

【浩二】
「あっ……」

//■CG アルバム差分一 幼い頃の二人

と、一枚の写真が目に留まり、俺は思わず声を漏らしてしまった。

【浩二】
「この子……」

俺と肩を組んで、真っ白な歯をこぼしている子供……。

Tシャツに短パン、ショートカットの黒髪。確か名前は……リョウ、だ
っけか?

あいつとは、母の故郷を訪れるたび泥だらけになるまで遊んでいた……
そんな記憶がある。

時には、森の奥で迷子になったりもしたか。いや、それはリョウの方だ
ったな。

【浩二】
「あいつ……元気にしてるかな」

……ほんと、懐かしい。

一番よく憶えているのは、家の裏手でした『かけっこ』だ。

昔から足が速かった俺と比べても、リョウは亀みたいに鈍かった。毎回
ゴールである公園の東屋に辿り着くのは俺で、そのあと数分ほどの間を
置いて、ようやく肩で息をしているリョウが現れる。

大粒の汗を浮かべたその顔は、もう見るからにグロッキーだ。

はあはあと荒い息を継ぐリョウは、何だか妙に色っぽくて……思わず笑
ってしまった記憶がある。

リョウは、なにを勘違いしたのか持ち前の負けず嫌いな性格をぶつけてき
て、もう一戦、とか叫んでいたっけ。

……あいつに関しては、ほんと、色々な思い出がある。

時には、好きな子のタイプを言い合ったりもした。

確かリョウは『普段はおちゃらけているけど、ときおり優しい面もあっ
て、肝心な時には勇敢な……』などと具体的な特徴を語っていた。

俺は、なんて答えたんだっけ。

黒髪ロングでツインテールで、胸はでかい方が……なんつー馬鹿な答え
を寄こした気がする。

その後、なぜかリョウと喧嘩になって、お互いに仲直りする機会もない
まま、ちょうど田舎を離れる日と重なり……あれから、リョウとは一度
も連絡を取っていない。

//□背景 黒バック
//♪BGM 停止

【浩二】
「行ってみるか……田舎」

喧嘩別れをしたままじゃ後味悪いし、それに、また『かけっこ』がした
くなったのだ。

リョウの悔しがる顔を、もう一度見てみたい。

【浩二】
「しかも俺、陸上部だし。あいつ、驚くだろうな……」

とまあ、そんなわけで。俺はさっそく母の親戚に連絡を取るや、リョウ
には内緒で田舎へ赴くことを決めたのだった。

……その時、母が意味深な笑みを浮かべていたのが気になるけど、まあ
いい。

//□背景 田舎の風景
//♪BGM 日常

【浩二】
「ふう……やっとだな」


新幹線で無為な時を過ごし、それから数時間に一本という田舎丸出しの
バスに揺られ、ようやく辿り着いた。

……のだが、ここで浮上してくる問題が一つ。

【浩二】
「家の場所……どこだっけ」

例年通りなら、バスで家の近くに来てからは、迎えの車が来ていた。し
かし今回、俺はサプライズのため送迎を断ってしまったのだ。

結果…………。

【浩二】
「どうやって行けばいいか……解らん」

この歳にもなって、完全なる迷子だった。

お恥ずかしいやら情けないやらで、熱気による汗とは別の冷たいもんが
頬を滑り落ちる。

ああ、どうしよう。誰か現地の人に道を尋ねようとも思ったが、辺りは
人っ子一人いやしない。

代わりにあるのは、視界いっぱいに広がる緑模様と、咲き乱れる向日葵
くらいのもんで……。

うわー、田舎って恐ろしい。

タクシーなんて便利なもんは通っていないし、交番もどこにあるのか解
らない。

これぞプロトタイプの田舎って感じだ。うんうん、昔から何も変わって
ない。

【浩二】
「これでもし、隠された伝説や狂気的な風習があったりなんかしたら…
…」

ぞくり、と背筋に冷たいものが走る。

【浩二】
「これは、惨劇の予感! 俺、田舎に来て早々祟り殺されちゃう!」

【???】
「そんな物騒なもの、ないってば」

【浩二】
「えっ……!?」

どこからともなく、女の子の声が聞こえてきた。

【浩二】
「よもや、オヤ○ロ様!?」

【???】
「だから、違うってば……」

呆れた声と共に、草木をかき分けるようなガサガサという音が耳に届
いて……。

//▲立ち:???(私服 通常) 
//♪BGM キャラのテーマ

傍らの向日葵畑から、ひょいっと女の子が飛び出してきた。

【浩二】
「って、でか!」

身長が、ではない。

おっぱいが、である!

薄手のキャミソールを重ね着している女の子――注目すべきは、その胸
元だ。

なんつーかもう、これでもか! というほどでかいのである。

真っ白なキャミソールがはち切れそうなほどの膨らみ。少し屈んだりす
れば、押し上げられた襟元からぽよよんっと滑らかそうな柔肌が垣間見
える。

おっぱいの椀飯振舞、おっぱいの大放出セールといった様相だ。

加えて、スタイル抜群! 上部の膨らみに反して腰はワイングラスみた
いに華奢な線を描いているし、薄桃色のレースが連なるスカートからは、
白くて綺麗なおみ足が伸びている。……ああ、真夏の日差しよりも眩い。

あとあと、腰まである黒髪を、二つ結びに垂らしているのもポイント高
い。どことなく活発的な空気を感じる。

まさしく、俺の好みド直球であった。俺の左胸に空振りストライクであ
る。

//▲立ち:???(私服 動揺)

【???】
「な、なに……その目」

【浩二】
「え、いやいや、誤解しないでほしい」

//▲立ち:???(私服 疑問)


【???】
「そう……なの?」

//♪BGM ギャグ

【浩二】
「ああ、何も問題はない。ただ、おっぱいを眺めていただけだから」

//▲立ち:???(私服 怒り)

【???】
「問題大アリじゃない!」

【浩二】
「そうかな? 別に揉みしだこうとか考えていないし、眺めるだけなら
タダだと思うぞ」

//▲立ち:???(私服 動揺)

【???】
「え、そりゃまあ……タダだけど」

【浩二】
「ん? タダってことは、有料版もあるってことか?」

【???】
「えっ」

【浩二】
「そのおっぱい、買います! 一揉みいくらですか!?」

//▲立ち:???(私服 怒り)

【???】
「これは非売品だから!」

//▲立ち:???(私服 不満)

胸元をかき抱いて、女の子はツンと顔を背ける。

【???】
「もう知らない、こんな変態……」

//▲立ち消し

そのまま肩をいからせ、くるっと身を反転。ツインテールをなびかせな
がら、ずんずん大股で歩いていく。

【浩二】
「ちょ、ちょっと待ってくれ! さっきのは冗談だから!」

遠ざかっていく背中を追いかけながら、慌てて声を飛ばす。

//▲立ち:???(私服 不満)

【???】
「追いかけてこないでよ、変態。通報するね」

【浩二】
「もう確定しているのか!? いやちょっと、少し落ち着いてほしい」

【???】
「私は冷静だよ。変態を通報するのは善良なる一般市民の義務だし」

【浩二】
「いやいや、そういう意味じゃなくて。つか俺、お恥ずかしいことに迷
子でして……」

//♪BGM ギャグ 停止

//▲立ち:???(私服 動揺)

【???】
「え、迷子?」

交互に送り出していた足を止め、女の子が振り返る。

良かった……やっと解ってくれたらしい。

//▲立ち:???(私服 通常)

【???】
「なら、私が案内してあげる。付いてきて」

【浩二】
「え、いやあの……」

案内も何も、まだ場所を教えていないのだが……。

//▲立ち:???(私服 笑顔)

【???】
「大丈夫、解っているから」

俺の心配を見抜いたように、自信満々に頷く女の子。

え、何なの。この子もしかして、エスパーだったりする?

//♪BGM ギャグ

【???】
「近場の交番はここから数キロ歩いたところにあってね……」

【浩二】
「って、警察じゃないから! 俺が求めているのはそんなバッドエンド
じゃない!」

//▲立ち:???(私服 不満)

【???】
「違うの? ……残念。なら、留置所?」

【浩二】
「さらにグレードアップしてる!? いやそうじゃなくて――」

//♪BGM 日常

と、何が不満なのか仏頂面を傾ける彼女に、俺はかくかくしかじかと己
の窮状について訴えた。

//▲立ち:???(私服 通常)

【???】
「なるほどねえ……」

目的地である家の景観、その周りにある風景、近くに公園があることを
逐一話すと、女の子は得心がいったように頷いた。

【???】
「その場所なら、心当たりがあるよ。私の家も、そこの近くだから」

【浩二】
「そうなのか! なら、申し訳ないとは思うが……」

【???】
「うん、解った。こんなおっぱい星人を案内するのは癪だけど、まあ困
っている人を見過ごすわけにはいかないから。特別に、助けてあげる」

//▲立ち消し

付いてきて、と素っ気なく言い、身を翻す女の子のあとに続く。

【浩二】
「ありがとう。ほんと、助かった……」

【???】
「勘違いしないでよ。困った時だけは、お互い様ってだけ」

//■CG 横顔

隣に並んで歩きながら、ふと女の子の顔を盗み見る。

暗く影の差した目元は、何かを思い返すように細められている。

【???】
「なによ……」

//■CG 横顔 差分一 目を合わせる
//♪BGM シリアス

その視線に気付いて顔を合わせるが、女の子の目は俺を素通りして、ど
こか遠いところに向けられているような、そんな気がする。

//■CG 横顔 差分二 涙

瞳の中に映り込んでいる俺が、ふと滲んだ。

ぐにゃぐにゃに歪んだ俺の姿が、波紋を広げていく。

【???】
「違うのよ……これは」

//□背景 田舎の風景

何が違うのだろう。女の子は、何かを振り切るようにごしごしと目元を
拭い、はあ、と長い息をこぼした。

//▲立ち:???(私服 悲しみ)


【???】
「ずっとずっと前にね、私、迷子になったことがあって。その時、すご
く心細くて、寂しかったんだけど……でも、助けてくれた子がいたの」

【浩二】
「それで……俺を?」

【???】
「うん。それで、その時のことを思い出しちゃって……」

なるほど……ね。なぜだか俺には、まるで自分のことみたいに、この子
の気持ちが理解できた。

【浩二】
「解るよ、そういうの」

【???】
「嘘だよ。なんで初対面のあなた何かに、私の気持ちが……」

//♪BGM 和解

【浩二】
「戻りたいんだろ?」

//▲立ち:???(私服 動揺)

【???】
「えっ…………!」

驚いたように、目を見開く。

やはり、な。

【浩二】
「あの頃に、戻りたいんだよな。さっきの涙は、別に迷子になった時の
ことを思い出して流したもんじゃない。懐かしくて、昔に戻りたくて、
こぼした涙なんだ。そうだろ?」

【???】
「う、うん。でも、なんで……」

納得いかないのか、ずずいと身を寄せてくる女の子に、俺は笑みを返す。

【浩二】
「俺も、同じだからだ。あの頃が懐かしくて、ここに戻ってきた」

【???】
「え、あなたって……この町の出身だったの?」

【浩二】
「ああ、昔は良く遊びに来てたんだがな。今は忙しくて、そっちの方に
かまけてばかりだった。けど、ふと思い出して……また行きたくなった
んだ」

【浩二】
「会いたい人も、いるし」

【???】
「会いたい、人……」

//▲立ち消し

俺の言葉を反芻して、女の子は静かに目を閉じた。

//▲立ち:???(私服 真剣)

立ち止まり、瞳を開く。

その視線は、真っ直ぐ俺の顔に向いていた。

濁りなく、清流のように透き通った眼差しに射竦められ、俺は若干の困
惑と共に頭を掻く。

【浩二】
「ええと……」

なんて言葉を掛けたらいいのか判断がつかなくて、意味のない声を漏ら
した矢先、それを遮るように女の子が口を開いた。

【???】
「その会いたい人は、あなたを待っていると思う?」

【浩二】
「え……?」

脈絡ない問いかけに、面喰う俺。……いや、それはどうだろうか。もし
かしたら忘れられているかもしれないし……。

【???】
「その人と、仲は良かったの?」

【浩二】
「たぶん、な。アルバムの中の写真では、二人とも笑っていたし」

//▲立ち:???(私服 微笑)

【???】
「なら、大丈夫だと思う」

優しげな声の調子で、女の子が頷く。

【???】
「その会いたい人はきっと、あなたを『待っている人』だと思う」

【???】
「私も、それと似たような境遇だから……解るんだ」

//▲立ち消し

最後に小さな呟きを漏らし、女の子が歩き始める。

その横顔に滲んだ寂しさを、振り切るように。

//♪BGM 日常

【浩二】
「…………」

【???】
「…………」

//□背景 家の近く

やがて、歩き続けること数十分。周りの景色が変わり始めた。

緑模様を置き去りに、古びた民家が立ち並ぶ一帯を抜けるや、見慣れた
風景が広がる。

懐かしい……。昔はよく、ここら辺で遊んだっけな。

【浩二】
「悪いな、ここまで案内させちゃって。ほんと、助かった」

感謝を告げると共に、深々と頭を下げる。

//▲立ち:???(私服 動揺)

【???】
「ちょ、そんな頭下げないでよ。私も、家に帰ろうと思っていたし、近
かったから……」

【浩二】
「この付近だったのか。そりゃ、偶然だなあ」

そう言いながらも、胸の内に疑問が湧く。

この辺に住んでいる人とは顔見知りだし、俺の記憶が間違っていなけれ
ば、こんな可愛い女の子……一度も見たことがない。

引っ越してきたのだろうか? と思って辺りを見回す。しかし目に映る
景色は、どれも記憶と一致するものばかりで。真新しい民家は、この付
近には建っていないように見えた。

ここら一帯に軒を連ねるのは、年季の入った――悪く言えば時代に取り
残されたような家々だ。

引っ越してきた人ではないとすれば。はて、こんな子……近くに住んで
いたっけ。

//▲立ち:???(私服 通常)

【???】
「じゃあ、私はこれで」

【浩二】
「お、おう。じゃあな」

//▲立ち消し

疑問を引きずったまま、別れの挨拶を交わす。

またどこかで会えたらいいな……そんな期待を膨らませつつ、俺は数メ
ートル先に見える目的地へと歩を進めた。

//▲立ち:???(私服 怒り)
//♪BGM ギャグ

【???】
「って、なんで付いてくるのよ! やっぱり変態なのあなた!」

別れを告げて数秒後、俺たちは再会を果たした。

また会いたいなとは思ったが、さすがにはえーよ!

【浩二】
「いや、目的地がこっちなんだ。偶然っつうわけ」

//▲立ち:???(私服 動揺)

【???】
「そ、そう……。なら、いいんだけど」

//▲立ち消し

――テクテク、テクテク。

――ザッ、ザッ、ザッ。

//▲立ち:???(私服 動揺)

【???】
「ちょ、どこまで付いてくる気? もうすぐ家に着くんだけど……まさ
かあなた、新手のストーカー? 迷子を装った変質者?」

後ろを振り返り、女の子が訝しげな目で問う。

【浩二】
「だから違うって。俺もこっちの道なんだ」

【???】
「ちょ、でもほんとにもうすぐで……」

【浩二】
「大丈夫だ、まだ慌てるような時間じゃない」


【???】
「えぇ……?」

//▲立ち消し

疑念を乗せた目でちらっと俺を見やり、再び歩き出す女の子。

//□背景 黒バック

そうして、一軒の家に辿り着いた。

古びた扉へ手を掛け、横滑りに開ける。

//□背景 家の中

//▲立ち:???(私服 通常)

【???】
「ただいまー」

【浩二】
「大丈夫、まだ慌てるような時間じゃない」

//▲立ち:???(私服 動揺)

【???】
「って、どこまで付いてくる気よ!? お母さんお母さん! 変態が私
のあとを追ってくる……!」

【浩二】
「変態じゃないっての! つかここ、俺の目的地な。お前こそ変態なん
じゃないのか?」

//▲立ち:???(私服 怒り)


【???】
「はあ!? なに意味の解んないこと言ってんの? ここ、私の家なん
だけど」

【浩二】
「お前の家? 違うだろ、ここはリョウの……」

//♪BGM シリアス
//▲立ち:???(私服 驚き)

【???】
「え――」

その名を出した途端、女の子がびくっと跳ねた。

信じられないものを見るような目で、俺の全身をためつすがめつ眺め回
す。

【???】
「あ、こ……っ」

それから、何かを言いかけて失敗し、女の子は震える口でもう一度、掠
れた声を絞り出す。

【???】
「あ、あなた……名前は、何て言うの」

何を訊かれるのか、少し緊張した。しかしそれは、簡単な問いかけだっ
た。俺は自信満々に、胸を張ってこう告げる。

【浩二】
「俺は、堺浩二。今日は親戚の家に泊まりに来たんだ。ちゃんと許可も
取っているぞ。ある人には、サプライズだが……」

//♪BGM 再会

【???】
「……コージ」

//▲立ち消し
//■CG 抱擁

【???】
「……浩二ぃっ」

【浩二】
「ごふっ! ちょ、おま……!」

俺の名を繰り返し、なぜだか低弾道のタックルをかましてくる。

ああ、程良い弾力と柔らかな感触を併せ持つ膨らみが、ぎゅうぎゅうと
胸に押し当てられている。汗に混じって石鹸だかシャンプーだかの甘い
匂いも、彼女の滑らかな肌から立ち昇ってきて……。

異性と密着状態にある俺の脳は、半ば蕩けそうになっていた。

【???】
「私のこと、憶えているよね」

言葉が発せられたと同時、耳元に熱い吐息が吹きかかる。ああ、なんか
昇天しそう……。

【浩二】
「い、いや……俺の記憶にはこんな可愛い子……」

現実感が遠のいていき、俺の口は意図しない言葉を漏らし始める。

【???】
「もう、浩二ったら……」

//□背景 家の中
//▲立ち:???(私服 微笑 赤面)

そう言って、女の子が身を離す。それでもまだ至近距離にある顔を寄せ、
じっと見つめてくる。

何なんだ、この状況。

間近に見えるその瞳は、どこか真剣そうな光を灯している。

なぜだか急にシリアス感濃厚となった空気に呑まれ、俺は気圧されたよ
うに口を閉ざす。

指先一つ、動かせない。

そんな緊縛状態さながらの俺に対し、女の子は全てを悟ったような笑み
を浮かべ、警戒心の抜けた表情で言う。

【???】
「久しぶりだね、浩二」

【涼子】
「……私、佐原涼子だよ」

【浩二】
「――へ? 佐原、涼子……?」

俺の口から、自分自身の声とは思えない間抜けな響きが漏れる。

ちょ、ちょっと待て……落ち着け俺。

深呼吸を繰り返し、どうにか平静を取り戻そうと試みる。

うん、全然落ち着かないが……まあ、ともかく考えてみよう。

佐原リョウ……なら確かに憶えのある名前だ。しかしこの子、自分のこ
とを佐原涼子と名乗ったよな。

ええと、つまり……。そこから導き出される結論は、

【浩二】
「お前、まさか性転換を……!」

//▲立ち:???(私服 不満)

【涼子】
「違うってば! 私、昔から女の子だったし」

【浩二】
「けど、名前が……」

【涼子】
「それは、自己紹介のときに『佐原涼――』まで言いかけたところで、
浩二が『佐原リョウだな、よろしく』って台詞を遮ったんじゃない」

【浩二】
「そう……だったのか」

衝撃的事実が明かされ、俺は呆然とする。まさか、幼い頃に遊んでいた
リョウが女で、しかもこんな……美少女に成長しているだなんて。

リョウ――いや涼子が女だとすれば、腑に落ちる点もある。足が遅かっ
たのもそうだし、ときおり見せる女っぽい仕草にも納得がいく。

俺は俯き加減の顔を上げ、もう一度、涼子を見つめた。

ショートカットだった黒髪は、今や艶やかに伸ばされ頭の両脇で結わえ
られている。以前は低かった身長も、女の子にしてはすらりと高く、加
えて起伏のある体つきにグレードアップ。

さらに、昔の絵に描いた小学生みたいな恰好から一転、いかにも女の子
然としたキャミやスカートを身にまとい、俺に微笑みかける涼子は、ど
の角度から眺め回しても垢抜けた女子そのものであった。

//▲立ち:涼子(私服 羞恥)

【涼子】
「ちょ、そんな見ないでよ……恥ずかしい」

ほんのり頬を染めた涼子が、もじもじと身を捩る。

女の子の象徴たる豊かな双丘も、ぷるるんっと揺れる。

ああ……何という眼福。

【浩二】
「そうか……涼子、だったんだな」

【涼子】
「うん。私、ずっと浩二に会いたかった……っ」

//▲立ち消し
//■CG 抱擁

そうして、感動の抱擁を交わし合う俺たち。……ああ、胸の感触が心地
いい。

【浩二】
「そ、そうだ。また『かけっこ』でもしないか?」

このまま抱き合っていると、何というか下腹部に位置する魔獣が目覚め
かねん。そいつが一たび咆哮を上げれば、あっという間に俺の理性は侵
食されてしまう……。

もしそうなれば、俺は、人生の終焉を拝むことだろう。下腹部の目覚め、
それすなわち感情の枷を食い破る猛獣だ。

奴が雄叫びを上げかねん現状から抜け出さねば、と考えた俺は、突然で
はあるが『かけっこ』の提案を持ちかけた。

それも目的の一つだったし、涼子が女の子だと発覚した今では多少の気
遅れも感じていたが、まあこれも止む無しだ。

【浩二】
「ダメ……か?」

【涼子】
「いやいや、全然いいよ。私、あれから走るの練習したし。今度は負け
ないからね」

//□背景 黒バック
//♪BGM 停止

自信満々に頷く涼子を連れ立ち、家の裏に回る。

作戦成功。……もしあのままイチャコラしていたら、涼子のお母様に見
つかっていたかもしれない。

決定的な状況を見られなかったことに安堵しつつ、俺は体勢を整える。

現状から逃れるためとはいえ、まさか涼子と『かけっこ』するはめにな
るとは。

うーん、女の子相手に全力を出すわけにもいかないし。少しだけ、手を
抜こうか。

【涼子】
「もし手加減しようなんて考えているなら、私に負けちゃうよ、浩二」

//□背景 公園までの道
//※特殊効果:走っている感を出すような、集中線
//♪BGM 勝負 

――その考えは、涼子の指摘通り甘々だったらしい。

スタートの合図と共に、涼子が弾丸のようにビュンっと飛び出す。

――速い! 

呆気に取られた俺を置き去りに、涼子が曲がり角の向こうに消える。

そのあとを追いかけながら、俺は感嘆の息を漏らす。

……涼子の奴、本当に練習していたんだな。フォームも整っているし、
何より速さが段違いだ。

足の遅い涼子……。そんな幻想は、俺の頭から消し飛んでいた。

速度を上げ、涼子の後ろを追走する。

夏の陽射しを受け止める涼子の、艶やかなツインテールがきらきらと輝
く。

【涼子】
「はあ、はあ。このままだと私、ゴールまで一直線だよ」

声を弾ませながら、涼子が一本道を駆ける。

先に見えるのは、公園の入り口。

【涼子】
「はあ、……くっ。はあ、今度こそ……私の勝ち……!」

【浩二】
「それはどうかな?」

足裏に力を込め、強く地面を蹴る。

ぐんっ、とそれまでの緩いペースを破り、一気に加速。前方を走る涼子
が、えっ、と驚いた顔で振り返る。


それから数秒と経たず、俺は涼子の隣に並んでいた。真横から漏れ聞こ
えてくるのは「はあはあ」という荒い呼吸音。……どこか色っぽい気も
するのだが、それは脇に置いておくとして、だ。

【浩二】
「お前、ペースを考えていないだろ」

【涼子】
「え……あっ」

【浩二】
「公園までは、意外と距離がある。最初からそんな全力疾走だと、終盤
で体力切れだ」

【涼子】
「んっ、はあ、そん……なぁ」

空気を求めて喘ぐ涼子に、俺は勝ち誇った笑みを浮かべる。

【浩二】
「というわけで、今回も俺の勝ちだな。じゃあ、そういうことで」

//□背景 黒バック

【涼子】
「ああっ、ちょっと浩二ぃ~~っ!」

上気した頬と潤んだ瞳を、俺は情け無用で追い越していった。

//♪BGM 日常
//□背景 公園の東屋

そのまま一本道を駆け抜け、公園の東屋へ辿り着く。

//▲立ち:涼子(私服 疲労)

やや遅れて、肩で息をする涼子がやって来て、疲れ切った様子で胸を上
下させる。

はあはあと艶めかしい吐息が、人気のない公園に響く。

【涼子】
「駄目……疲れた」

//♪BGM 停止
//▲立ち消し

と、いきなり傾き出した涼子の身体を、慌てて受け止める。

【浩二】
「大丈夫か! 涼子! もしかして、熱中症とか……」

//▲立ち:涼子(私服 疲労)

【涼子】
「大丈夫……はあ、ちょっと疲れただけ……だから。しばらく安静にす
れば、治ると思う……」

そう言って、腕の中で呼吸を繰り返す……。

【浩二】
「…………」

…………。

沈黙が降りてきた。

//♭SE 鼓動 ループ

互いに言葉はなく、空気を震わせるのは静かな呼吸音……それしかない。


俺の吐息と混ざるように、涼子の熱く艶めかしい息遣いが、その小さな
唇から漏れている。

決して、気まずくはなかった。

ただ、こうして身体を寄せ合っているだけで、伝わるものがある。

//▲立ち:涼子(私服 羞恥)

Tシャツ越しに感じる柔らかな輪郭、汗に濡れた身体から漂う、甘酸っ
ぱい香り。……そして、潤んだ瞳の奥に窺える、彼女の本音。

切なげに揺れる光が、何かを訴えかけている。

【涼子】
「…………っ」

【浩二】
「…………」

……そう、か。

……いいんだな、涼子。

//♭SE 停止
//▲立ち消し

無言の頷きを交わし、俺は、その場に涼子を押し倒した。

寂れた遊具しかない、時代遅れの公園だ。それに、ボロい東屋に近づく
人など、滅多にいない。

それは、昔でさえそうだったのだ。公園を訪れる人の数は、さらに減っ
ていることだろう。

だからここは、俺と涼子、二人きりの空間だ。

【涼子】
「浩二ぃ……好き」

//♪BGM Hシーン
//■CG 押し倒し 差分一 キス

切なげに俺の名を呼ぶ、その声が、想いが、静かに重なった。

熱く柔らかなものが、俺の呼吸を塞いでいる。

……それが涼子の唇だと認識するまでに、かなりの時間を要した。

……いや、もしかしたらそれは、ほんの数秒の出来事だったのかもしれ
ない。けれどその数秒は、数十秒、数分、数十分と引き伸ばされ、俺か
ら思考を奪っていった。

……初めてのキス。

衝撃的な感覚に、頭の中が真っ白に染まる。

【涼子】
「ちゅっ……ん」

//■CG 押し倒し 見つめ合う

唇を離し、涼子が照れ臭そうに微笑む。

女の子らしい、たおやかな笑みだ。

【涼子】
「私たち……キス、しちゃったね」

【浩二】
「ど、どうだろう……良く、解らなかったな」

【涼子】
「そう……?」

……いやだって、あまりにも突然だったし。

唯一はっきり覚えているのは、女の子の唇ってこんなに柔らかいんだ、
という驚きのみ。

涼子にしかない、味とか匂いとかは、あまり伝わって来なかったと思う。

【浩二】
「だから、もう一回だ」

//■CG 押し倒し 差分一 キス

【涼子】
「え……んんっ」

何か言おうとした涼子の唇を、今度は俺のほうから塞ぐ。

柔らかなその表面に、自分のを強く押し付ける。

……温かい。

微かに漏れた吐息が、唇を通して伝わってきた。

涼子の……甘い匂いだ。

もっと……もっとたくさん、涼子のことを知りたいと思った。

【涼子】
「んちゅ、ちゅ、……んむっ!?」

押し付けるだけのキスから、今度は舌を使って直接、涼子の中に踏み込
もうとする。

驚いたのか、びくっと彼女の肩が震える。

【涼子】
「んん……っ!」

優しく抱き締めると、身体に張っていた緊張が抜け、形のいい唇が開い
た。

その隙を見逃さず、俺は涼子の口内へと、素早く舌を差し入れた。

【涼子】
「んむっ、んん……、ちゅ、ちゅく……んちゅ」

涼子の口の中は、熱く蕩けていた。

つるんとした歯を丁寧に舐め、その奥に引っ込んでいる舌を探り、絡ま
せようとする。

【涼子】
「ちゅっ、ちゅく、ちゅるる……っ」

奥に進むと、涼子のほうもそれに合わせて舌を突き出し、熱い粘膜同士
が出くわす。

……互いにおっかなびっくりだったのは、最初だけで。二、三回軽く触
れ合うと、あとはただ舌を絡め合って、熱く交わり続ける。

【涼子】
「ん、ちゅ……はあっ、ちゅ、ちゅくっ、んん、ちゅぱ……っ」

【涼子】
「んんっ、ちゅっ、むちゅ、はぁっ、……んむぅっ……」

技巧なんて何もない。ただ解り合いたくて、貪るように舌先を絡める。

甘い唾液を交換し、口内に舌を潜り込ませ、隅々まで舐めしゃぶる。

磨くような丁寧さで歯をねぶり、歯茎から上顎にかけてを辿ると、下の
ザラついた部分も刺激する。

【浩二】
「ん……これが、涼子の味か」

//■CG 押し倒し 見つめ合う

【涼子】
「……わ、私に味なんてない……んんっ、ちゅっ」

【浩二】
「いいや、ある。甘酸っぱい……涼子の味だ」

【涼子】
「そんな……こと。恥ずかしい……じゃない……んん」

【浩二】
「もっと、俺に味わわせてくれ」

//■CG 押し倒し 差分一 キス

【涼子】
「私の味……なんてぇ、んちゅ、ちゅっ、んん~~っ」

返事を聞く前に、恥ずかしそうに奥へと戻ってしまった舌を引き寄せ、
丹念に舐めまわす。

【涼子】
「ちょ、こふひぃ……んあっ!」

逃げようとする舌を唇で挟み、強く吸い付いた。

そのまま俺の口内へ引き込むように、ちゅぅぅっと音を立てて吸い上げ
る。

【涼子】
「んちゅぅううう……っ、ちゅ、ちゅぱぁ、んむっ、れろ……」

そうしてしばらく、熱く濡れた涼子の口内を蹂躙し、最後に優しく口づ
けを交わしてから、顔を離した。

//■CG 押し倒し 見つめ合う

【涼子】
「ちゅっ……」

唇から透明な糸が引き、俺と涼子を繋ぐ。

【浩二】
「はあっ……」

キスに夢中で呼吸するのを忘れていた。

咄嗟に息を吸い込むと、目の前の涼子から漂ってくる甘い匂い……いわ
ゆる男にはない異性の香りがして、頭がくらくらした。

……ああ、やばい。

どうやら俺、興奮しているようだ。ズボンの下から猛烈に自己主張を告
げてくる奴も、神妙に頷いてやがるし。

込み上げてくる衝動に、俺の手が動く。

吸い寄せられるみたいに、涼子の滑らかな肩からお腹にかけてを撫でつ
け、そのまま胸元へ移動する。

//■CG Hシーン1 仰向けの涼子 胸を揉む
//(このCGでは主人公の姿が映っていなく、挿入の差分アリ。また着脱の過
程もアリ)

【涼子】
「んやっ!?」

すると当然、俺の手のひらには収まり切れない柔らかさと、餅のような
弾力が伝わってくる。

涼子のたわわに実ったおっぱいが、俺の手の中で形を変えている。

【涼子】
「あんっ、胸……そんな、浩二の手で揉まれて……んんっ」

【浩二】
「ほんと、大きいよな。俺の好みドストライクだぞ」

【涼子】
「浩二の、変態ぃ……んあっ、や、なんか、手つきがぁ……っ」

//■CG Hシーン1 差分一 ブラジャー

堪らず涼子の服を脱がし、露わになった薄桃色のブラジャー越しに乳首
を刺激する。

ごわごわとしたブラジャーの質感とは別に、指先に感じる固い感触……。

【涼子】
「そこ、乳首……だからぁ……んんっ、あぁっ」

//■CG Hシーン1 差分二 胸

ブラジャーを外すと同時、ぶるんっ、と大きく弾んだおっぱいが現れる。

うわ、すごいな。初めて生で見たけど……女の子のおっぱいって、こん
なにエロいんだ。

丸くて綺麗な形、その中心に芽吹く蕾。周りの柔らかな肌が、微かに汗
ばんでいて……。

思い描いていたおっぱいの幻想的なイメージとは裏腹に、耽美で生々し
い印象を覚える。

まるで、そこだけが別の生き物みたいで……。
ああ、もう辛抱堪らん!

【涼子】
「え、ちょ、浩二……? そんな、おっぱいに顔近づけて……ま、まさ
か、な、舐め――んひゃうっ」

熱く高まっていく想いのまま、俺は涼子のおっぱいにむしゃぶり付き、
同時にムニムニと心行くまで生の感触を味わった。

【涼子】
「そんな激し……くぅっ、んあっ、んんっ、あぁん、あふっ……」

【浩二】
「なにカップなんだ? D……いや、Eはあるかな」

乳首を支点に胸全体を揉みほぐしながら、不躾とは解っていたが、初め
て会った時から引っかかりを覚えていた疑問をぶつけてみる。

【涼子】
「そ、そう……Dカップ、なの……んあっ、あんっ!」

すると涼子は、素直にカップ数を教えてくれる。

……いや、違うな。

本能的な男のセンサーが、涼子が発した『Dカップ』という数値を否定
する。

この弾力……柔らかさ。固すぎず絶妙な力加減でこちらの指を押し返し
てくる、この瑞々しいおっぱい。果たしてこれが、Dカップのもたらす
感触だろうか?

否、と俺はコンマ二秒で断ずる。

これは……よもや、夢にまで見た至高の数値。

【浩二】
「E……いや、Fだろう?」

涼子の耳元で囁くと同時、固く張りつめた乳首を、指の腹できゅっと押
し潰した。

【涼子】
「んやああぁぁぁっ! な、なんでバレてぇ……っ! こ、浩二の変態
……! バカぁっ、おっぱいソムリエっ……あんっ!」

【浩二】
「おっぱいソムリエのパイ(乳)オニアとは、俺のことよ」

キリッ、と決め顔で告げてみた。もちろん嘘だけど。

【涼子】
「ま、まさか……他の子の胸も触って……」

【浩二】
「違うって。涼子のおっぱいだからこそ、解るんだ」

【涼子】
「んんっ、あぁ、浩二ぃ……っ!」

どうにか切り抜けられたようだ。

……よもや『AV観ておっぱいのカップ数を探求してました』なんて
口が裂けても言えまい。

【涼子】
「うぅ、おっぱいの形が変わっちゃうじゃない……んあっ」

いくら揉んでも飽き足らない。手のひらに吸いつくような、このしっと
りとした質感。柔肌の奥に感じる熱い血潮……。

脳髄をとろかすようなこの快楽に、いつまでも浸っていたい気さえする。

あぁ、全てがFになるぅ……と、もはや自分でも何を言っているのか判
然としない俺であるが、さすがに、そろそろ頃合いだろう。

さっきから下腹部の反り返りが半端ないし。加えて、涼子も何かを求め
るように、切なげな吐息をこぼしている。

涼子と、一つになりたい……。

本能的に湧いた衝動のまま、息を乱す涼子の、大切な部分を覆い隠すシ
ョーツに手をかけた。

そして、一息に脱ぎ捨てる。

//■CG Hシーン1 差分三 下半身ご開帳

【涼子】
「あっ、ちょっと浩二、そんないきなり……っ」

恥ずかしがる涼子の手前、俺は、その部分を食い入るように見つめた。

涼子の、アソコ……。

触れたら壊れてしまいそうな、精緻な造り。

【浩二】
「……ごくり」

ふわりと薫り立つ、蜜の匂いに誘われるように。俺は涼子の太ももを左
右に開くと、露わになったアソコへ、ねぶるような視線を注いだ。

ピンク色の襞が綺麗に折り重なっている。が、そこから感じる芸術的な
美しさを裏切るように、てらてらと濡れ光る淫口からは、濃厚な女の香
りが漏れている。

【涼子】
「そんな……じっと見ないで。アソコ、恥ずかしいし、それに……汚い、
から……」

【浩二】
「涼子に汚い部分なんてない」

【涼子】
「浩二、女の子に夢見すぎ……」

【浩二】
「む、失礼な。それなら、汚くないということを証明してみせようじゃ
ないか」

【涼子】
「証明って、何を言い――んひゃぁっ!?」

微塵の躊躇いもなく、俺は涼子のアソコへ口づけた。

……のみならず、舌先を使って周辺の柔肉や、温かな膣内を舐めていく。

【涼子】
「へ、変態変態ド変態っ、そんな、アソコ……男の子に舐められてぇ...
...んんぁっ!」

【浩二】
「とか言って、本当は気持ちいいんだろ? その証拠にほら、エロい汁
が溢れてる」

【浩二】
「涼子の甘くてエッチな匂いもするし……ほんと、エッチだ」

【涼子】
「あんっ、私、そんなエッチな女の子じゃ……んんっ!」

わざと水音を立てて吸い付くと、涼子が一際高い声を上げた。

【涼子】
「そんな厭らしく……音、立てないでぇ、はあっ、あぁっ……」

満遍なく、アソコ全体を舐めていく。

舌先を通じて伝わる、涼子の淫らな匂い。

普段、身体から漂ってくる果物みたいないい香りとは違う、濃厚な甘さ
と刺激的な――けれど、頭の中を蕩けさせる淫臭。

本当の涼子を知れた気がして、胸の奥が満たされる。

……しかし、膨らむ温かな気持ちとは別に、未だ満たされず悶々と昂ぶ
っている部分が、激しく自己主張を繰り返す。

……もう、限界が近かった。

ありのままの自分をさらけ出したいと、ビクビク震えている。

【浩二】
「涼子……そろそろ、いいか?」

そう確認すると、涼子は快感に蕩けた顔を隠しながら、こくりと頷く。

【浩二】
「じゃあ、入れるぞ、涼子」

【涼子】
「……うん。来ていいよ、浩二」


【浩二】
「……涼子。好きだ」

//■CG Hシーン1 差分四 挿入

ささやかな愛の告白をし、ズボンから取り出したイチモツを、涼子の秘
裂へ突き入れる。

生温かい柔襞を貫き……が、その侵攻は半ばほどで強い抵抗感に遮られ
てしまった。

【涼子】
「んくっ……」

きゅっと眉根を寄せた涼子の口から、苦しげな息が漏れる。

【浩二】
「大丈夫か、涼子。初めては痛いって聞くが……もう少し、慣らしてか
らのほうが……」

【涼子】
「少し痛いけど……んっ、平気……。このまま、入れていいから」

と、少しも平気ではない声に言われる。虚勢を張っているというか、俺
を気遣ってくれているのが透けて見えるな。

【浩二】
「あまり無理するなよ。痛いならちゃんと手を挙げるんだぞ」

【涼子】
「そんな歯医者みたいな……私、もう子供じゃないし」

【浩二】
「あはは、そっか。でもま、ほんとに無理はするなよ」


【涼子】
「うん……。でも、浩二と一つになりたいから。私、頑張る」

【浩二】
「涼子……。ああ、解った。それなら俺も、涼子と一つになれるよう、
なるべくゆっくりするな」

【涼子】
「うん。ありがと、浩二……」

【涼子】
「んっ、あぅ……っ」

宣言通り、早く入れてしまいたい衝動を堪えつつ、厳かに腰を突き出し
ていく。

そのたび、ぎゅっと膣の圧迫感が強まり、口から声が漏れそうになる。

……ダメだ。涼子が頑張っているというのに、俺だけ気持ちよくなって
はいけない。

溢れそうになる欲望をぐっと堪え、少しずつ、ゆっくりと、わずかなが
も前へ進んでいく。

そして……。

//■CG Hシーン1 差分五 破瓜

【涼子】
「痛ぁっ――」

何かを突き破るような感触が、肉棒の先端に絡みつく。そして、つぅっ
と膣から伝い落ちるのは、真っ赤な純潔の証。

とん、と小気味いい音を立てて奥まで達し、俺たちはようやく……一つ
になった。

【涼子】
「私……浩二と一つに……っ」

感極まったのか、眦からぽろぽろと感情が伝い落ち、胸元を濡らす。

それを拭いつつ、豊かなおっぱいを揉んでいく。

【浩二】
「頑張ったな、涼子」

【涼子】
「もう、こういう時におっぱい揉まないでよぉ……あんっ」

【浩二】
「いや、すまん。我慢の限界のようで、つい反射的にな……」

謝りつつ、ゆっくりと抽送を始める。

//♭SE 抽送

【涼子】
「んあっ、う、動いて……はあっ、んんっ!」

長い時間をかけて馴染ませたせいか、初めて挿入したときの痛みは、す
でに退いているらしかった。

単純に、身体の相性がいいのかもしれない。

//■CG Hシーン1 差分六 快楽

【涼子】
「浩二のおち○ちん、お腹を突き上げてぇ……ああぅ、んあっ、気持ち
……いいよぉ……あんっ」

//♭SE 抽送(激しく)

徐々に、腰を動かすペースを速めていく。

人肌に近い膣壁の感触が、堪らなく心地いい。

何より、涼子と繋がっている実感が、際限なく膨れ上がっていく快楽を
増長させる。

【浩二】
「ほんと、涼子は最高だな。何もかも、俺の好みど真ん中だ……!」

【涼子】
「そんなの、んんっ、当然じゃない。だって私……はあっ、努力、した
んだからぁ……っ!」

……努力、だって?

【京子】
「牛乳たくさん飲んだし、おっぱいだって毎日マッサージしたもん……
っ。髪だって伸ばしたし……あぅっ!」

そこで俺は、遅まきながらに気づいた。

幼い頃とは、百八十度違う涼子の容姿。

……胸が大きくて、長い黒髪を二つ結びにしている。それは昔、俺が涼
子に告げた『タイプの子』そのものであった。

そうか……だから涼子の奴、あのあと怒って。

好きな相手に、自分の容姿とは真逆の好みを突きつけられたのだ。そり
ゃ喧嘩にもなるだろう。

【浩二】
「ごめん……。俺、涼子の気持ち、解ってやれなかった……」

【涼子】
「大丈夫、だよ」

優しげに響く、涼子の声。

思わず、その顔を覗き込んだ。幸せそうな笑みを浮かべた、その表情。
星屑をぎゅっと凝縮したかのような瞳には、確かな想いが見て取れる。

嬉しさや喜び、幸せで温かな気持ち……いくつもの感情が、大きな瞳に
揺れている。

涼子の本音が、はっきりと伝わってくる。

【浩二】
「私、浩二のこと……好き、だから」

その二文字には、筆舌に尽くしがたい想いが、ぎゅっと詰まっているの
だろう。

その全てを吐き出すには、いくら時間があっても足りない。

【浩二】
「俺も好きだ、涼子」

だから、同じ二文字でそう返し、俺はより深い繋がりを求める。

固く張りつめたモノで、俺だけでなく涼子も感じられるよう、それまで
単調だった動きに変化をつけた。

膣壁を掻き回すように、腰をストロークさせる。

【涼子】
「それぇ、気持ちいい……よぉっ、うあっ、あぁん、ああぅ、んあっ」

【浩二】
「お、これがいいのか。なら、もっと良くしてやる」

【涼子】
「んあぁっ! 浩二ぃ……それ、おかひくなっちゃ……あんっ」

【涼子】
「頭の中……真っ白にぃ、ああぁ、ひぐぅっ、な、何か……来ちゃうぅ
っ!」

腰の動きを強めると、涼子は全身を震わせ甲高い声を上げる。

……そろそろ、限界が近いのだろう。

かくいう俺も、さっきから暴発しそうな欲望を律するのに精一杯だった
りする。

……やばい、な。

ぐつぐつと滾るような射精感が、徐々に昇ってくるを感じる。

【浩二】
「涼子、俺もそろそろ……ぐっ、イキそうだ……」

【涼子】
「なら、一緒にぃ……一緒がいいっ……んあぁっ! はあっ、ああっ!」

【浩二】
「よし。それじゃあ、こっからラストスパートだ」

それまで腰を掴んでいた手を離し、涼子の両手に組み合わせる。

――恋人繋ぎ。

今、心に浮かんでいる想いを刻みつけようと、一心に腰を振り動かす。

激しく前後動するたび、粘性の快楽が押し寄せてくる。

【涼子】
「んく、ああぁっ! う、うれし……いぃ、浩二と一緒に、二人でぇ...
...っ!」

【涼子】
「あぁんっ、浩二ぃ……ほんとに、ありがと……私、嬉しくて……一緒
にいられることが、こんなに……ああんっ!」

快楽に溺れながら、要領の得ない言葉を話す。

……けど。言いたいことは、ちゃんと伝わっているぞ。

【浩二】
「んく、じゃあ涼子……一緒にっ、二人でイクぞ」

もう、我慢はいらない。込み上げてくる欲求に従い、俺は何度も腰を打
ちつけた。

ぱんっ、ぱんっ、と力強く肌が密着し、その激しい動きに汗が散る。

……それでも、手と手は離さずに。

【浩二】
「ぐッ! 俺、もう出る……っ」

【涼子】
「私も、熱いモノが込み上げてきて……んあぁっ、切なくて……もう我
慢、できないぃっ、んあっ、あん! うぁんっ! ああんあんあんっ!」

//■CG Hシーン1 差分七 射精
//※特殊効果 ホワイトのフェード

【涼子】
「い、いっひゃ――こ、浩二ぃ……だめぇ、ああん、んんっ! ひゃあ
あああぁぁぁぁん――――っっ!!」

//♭SE 射精音

限界まで溜め込んでいた精を、一際深い腰の打ちつけと共に吐き出す。

//■CG Hシーン1 差分八 中出し

【涼子】
「お腹の中が、浩二ので満たされて……はあっ、あったかい……っ」

下腹部の辺りを撫でながら、涼子が恍惚とした表情で言う。

【涼子】
「んんっ……」

収まり切れなかった白濁が、純潔の証と混ざり合って、静かに滴り落ち
た。

俺たちはやっと、一つになれたのだ。

行為の余韻に浸りながら、俺たちは満足げな笑みを交換する。

【涼子】
「これからも、ずっと一緒にいようね、浩二」

どこからか、涼しげな風が吹いてくる。それに乗って、ふわりと夏草の
匂いがした。

……その中に混じる、甘くてドキドキするような香りが、優しく俺を包
む。

//□背景 黒バック
//♪BGM 停止

……それから、何分、何十分と経ったのだろうか。


行為の片づけを終えた頃、耐えがたい眠気が襲ってきて、俺は涼子を抱
きすくめながら眠ってしまった……らしい。

//□背景 公園の東屋

ふと、その温もりが消えて、ぼんやりと目を開ける。

さっきまで近くにいた気配が、今は感じられない。

慌てて上体を起こし、辺りを見回した。

涼子が……いない。

//□背景 公園

東屋から出て、視線を巡らせた。

陽はまだ高い。燦々と降り注ぐ陽光が、俺の目を焼く。

……と。

//♪BGM キャラのテーマ

【涼子】
「浩二ぃ~~っ!」

遠くの方から、耳馴染みの深い声が聞こえた。

それを辿り、ほっと安堵する。

彼女は、公園の入り口付近に立っていた。

艶やかな黒髪が、夏の陽射しに負けないくらい、きらきらとした輝きを
放っている。

……ただ純粋に、綺麗だな、と思った。

【涼子】
「いつまでそこにいるのよ、浩二! もう、勝負は始まっているんだか
らね!」

勝負? 何のことだろう。

再び、熱気を溶かすような涼しい風が吹いて、俺の前髪を揺らす。

【涼子】
「よーい、どんっ!」

元気いっぱいの合図と共に、涼子がくるりと身を反転、そのまま駆け出
してしまう。

……あ、もしかして。

あいつ、『かけっこ』を?

【涼子】
「今度こそ私が勝つんだからねっ」

【浩二】
「あっ、おい! そりゃずるいぞ! フライングだ!」

【涼子】
「ちゃんと起こしたし、合図もしたよ。だから不正はないもんね~」

【浩二】
「な、なに~っ!」

//□背景 公園までの道

俺は慌てて、涼子のあとを追った。

明るい声が、徐々に遠ざかっていく。

眩いくらいの夏を背負って、左右に分けられた尻尾が、ぴょんぴょんと
跳ねる。

【涼子】
「浩二っ、好き――――――っ!」

【浩二】
「え、何だって?」

【涼子】
「教えな――い。ほら、ここまでおいで」

涼子の背が、ますます遠のいていく。

だが、ちょうどいいハンデだな。

残念ながら、脚には自信があるんだ。

得意げなあいつを追い抜いて「実は陸上部なんだ」と告げれば、どんな
顔をするだろうか。

【浩二】
「あと、もう少し……!」

//□背景 青空
//♪BGM 回想

こうして走っていると、幼い頃を思い出す。

色褪せない、きらきらとした思い出の数々。

涼子と一緒になって集めた、真夏の宝物。

……これで、終わりじゃない。また集めていきたいと、そう思う。

だから、ここで負けるわけにはいかない。

俺は地面を蹴って、ぐんと加速した。

涼子との距離が縮まる。

そうして、彼女を追い越したとき……、

あの夏の続きが、俺を待ってる――。


//END

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